コストインサイト
概要
コストインサイトは、AWS のサービス単位でコストの急上昇を自動的に検出し、複数のアカウントを横断して異常を可視化します。 特定アカウントや特定サービスでの突発的な増加も見逃さずに把握でき、検出された情報はダッシュボード上で視覚的に確認できるほか、設定に応じてメールや Slack への通知も行われます。
加えて、予算アラート機能では、組織単位やアロケーションで設定したターゲットごとに、あらかじめ設定した予算金額を超えた時点で自動的にアラートの通知ができます。
これらの機能によって、日々変動するコストを常に監視し続けるのが難しい状況でも、異常や予算超過を見逃さず、余計なコストの発生や請求トラブルを未然に防ぐことが可能となります。
インサイトの有効化
インサイト機能は、アロケーション を有効化することで利用可能となります。
INFO
コストの比較には 2 週間分のコストデータを利用するため、アロケーション機能を有効化してから 2 週間以上経過している必要があります。
利用方法
コストインサイトは、ダッシュボードのサイドバーにある [インサイト] メニューから利用できます。
インサイト画面を開くと、検出された異常が一覧として表示され、どのサービスでコストの急上昇が発生しているかを一目で確認できます。
一覧に表示されている異常通知は、状況を確認し終えた後や今後表示させたくない場合、 リストに表示されている [アーカイブ] ボタンをクリックすることで非表示にできます。
コストの異常検知
通知の仕組み
コストインサイトは、過去 2 週間分の請求データ (CUR 2.0) をもとに日次で異常検知します。検知の際には、週単位で発生する通常の変動を無視するため、比較対象を 1 週間ごとに区切ります。 具体的には、直近の 1 日を除いた「期間 1 (直近 1 日前から 7 日前)」と「期間 2 (8 日前から 14 日前)」を比較し、期間 1 のコスト合計を期間 2 のコスト合計で割ることにより上昇率を算出します。
異常と判断する条件は、コストの上昇率が 10% 以上、かつ上昇額 10 USD 以上の場合です。 また、比較対象である期間 2 のコスト合計が 0 の場合は、期間 1 のコストが 10 USD 以上であれば異常と見なします。
検知処理は日次で実行されますが、一度異常と判定されたサービスと AWS サービスの組み合わせについては、2 週間は同じ内容で通知されない仕様となります。
INFO
税金、及びサポート料金、クレジットについては、異常検知の対象外です。
コストアラートの通知
詳しくは 通知設定 を参照してください。
予算アラート
予算アラートの登録
INFO
予算アラートを有効にするには、初めに 予算アラート の通知が必要です。
- インサイトページ右上にある [予算アラート設定] ボタンをクリックします。
- 設定画面が開くので、右上にある [新規作成] ボタンをクリックします。
- モーダルが開くので、次の項目を入力します。
- 組織名: アラートの対象となる組織を選択。
- アラートの対象: [組織全体] か、[ターゲット] のいずれかを選択。
- 組織全体: 組織全体のコスト総額がアラートの対象。
- ターゲット: アロケーションで設定したターゲット単位がアラートの対象。
- 予算タイプ: アラートを月ごとに設定するか、年ごとに設定するかを選択。
- 予算: アラートを発報するしきい予算金額を入力。[¥ (円)]、または [$ (ドル)] 指定が可能。
- 通知先: アラートを受け取る通知先を選択 (複数指定可能)。
- [アラートを設定] ボタンをクリックして登録を完了します。
INFO
- アラートはカードごとに 1 日 1 回を上限として通知されます。
- 予算を円で指定した場合、European Central Bank の為替レートを使用して、ドル換算した金額で判定されます。
予算アラートの通知
予算アラートを登録すると、設定ページにカードが追加されます。 赤い線が予算となり、予算を超過したタイミングでアラートが通知されます。