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コストアロケーション

概要

コストアロケーションは、AWS Data Exports (CUR 2.0) を活用し、1 つの AWS アカウントを複数の事業で共有している場合に発生するコスト管理の課題を解決する機能です。

この機能では、アカウント内で発生したコストを事業単位やプロジェクト単位で配賦し、費用負担を明確化します。コスト配賦の基準を透明にすることで、部門間の予算調整を円滑にし、組織全体のコスト意識を高める効果があります。特に、リソースを複数の組織内で共有している環境や、正確かつ詳細なコスト分析が必要とされるプロジェクトにおいて、効率的なコスト管理と最適化を実現します。

コスト取得の仕組み

インテグレーションを実行すると、お客様の AWS アカウントに IAM ロール、Data Exports、S3 バケットが作成されます。 Data Exports は AWS によって定期的に実行され、アカウント内で発生したコストデータを CSV 形式でエクスポートします。 エクスポートされたデータは S3 バケットに保存され、srest が AssumeRole を使用してそのデータを取得し、可視化を行います。

アロケーションの有効化

AWS インテグレーションを実行し、コストアロケーション機能を有効化することで利用可能となります。 詳しくは コストの取得 をご確認ください。

利用方法

コストアロケーションを使うには、初めにビューを作成します。

ビューの作成

設定ページから [新規作成] ボタンをクリックして、基本情報を登録してください。

  • 組織名: ビューの作成対象とする組織。
  • ビュー名: コストを配賦するビューの名前。
  • 説明文: ビューの役割や目的。
  • ターゲットの登録: コストの配賦対象となるターゲット。部門名やプロジェクト名を入力します。

INFO

ビューは複数作成可能です。

基本情報を入力後、[続けてルールを登録] ボタンをクリックします。

ルールの作成

ルールは、ビューに対してコストを配賦する条件になります。 ビューごとに複数の条件を登録でき、それぞれのルールに対しターゲットの配賦割合を設定します。

  • ルール名: ビューに登録するルール名。
  • 割り当て設定:
    • 複数ターゲット: コストを配賦するターゲットごとに分配率を設定します。 例えば 200USD のコストをターゲット A に 30%、ターゲット B で 70% 配分する場合、それぞれのコスト負担は 60USD、140USD となります。
    • 単一ターゲット: コストを特定のターゲットに 100% 配賦します。
  • 条件:
    • 全て一致: 条件一致のパターンが AND になります。
    • いずれか一致: 条件一致のパターンが OR になります。
  • 対象: AWS サービスやリソース ID を用いたフィルタリングが可能です。

条件を登録後、[保存して閉じる] ボタンをクリックします。

INFO

  • 各条件で指定可能な値はリスト表示されますが、初回表示までは最大 24 時間かかる場合があります。
  • 条件値はリストから選択のほか、手動での入力も可能です。
  • タグでは、AWS で登録したコスト配分タグを指定可能です。コスト配分タグの仕様については、AWS のドキュメントをご確認ください。
  • ルールは 1 つのビューに対し、複数登録可能です。複数のルールが登録されている場合は、優先度の高い順に条件が適用されます。
  • ルールは設定ページから並び替えが可能です。

TIP

登録したルールは、登録日以降に Data Exports から取得したデータに対して適用されます。 過去のデータに対するルール適用は、アロケーションの再集計 ページを参照してください。

ビューの確認

サイドバーから [アロケーション] を開くと、作成したビューに応じたコスト配分を確認できます。

INFO

  • Data Exports から出力されたデータは、1 日 1 回 srest に取り込まれます。
  • コストアロケーションは、前日分までのデータが実際よりも低く表示される可能性があります。これはデータ参照元である CUR2.0 が 24 時間に少なくとも 1 回の更新頻度であるためです。

CSV ダウンロード

各グラフの右上にある [CSV] ボタンをクリックすると、対象データの CSV ファイルをダウンロードできます。

ファイル名説明
categories-service.csvAWS のサービス単位のコスト内訳。
categories-target-service.csvターゲットごとの AWS サービスコスト内訳。
categories-target.csvターゲットごとの AWS コスト内訳。
timeseries-target.csvターゲットごとの AWS コスト推移。

INFO

CSV ファイルは BOM (Byte Order Mark) 付き UTF-8 で出力されます。

アロケーションの再集計

アロケーションに追加したルールを過去分の按分履歴にも適用する場合、再集計を実施することで過去分の按分履歴にも適用されます。 再集計を実施するには、[再集計] ボタンをクリックします。

  • 組織選択: 再集計対象の組織を選択します。
  • 日時指定: 再集計を適用する期間を指定します。
    • 期間指定: 1 ヶ月、3 ヶ月、6 ヶ月、1 年の期間を選択できます。
    • カスタム指定: 1 日単位で再集計を適用する期間を選択できます。
  • 通知先: 組織に登録された通知先、または再集計を実施したユーザーのメールに通知を送信できます。

INFO

  • 再集計に指定できる日時範囲は最大で 12 ヶ月です。12 ヶ月を超える範囲は指定できません。
  • 再集計の実行履歴は、[再集計履歴] ページで確認できます。